フロアコーティングを施工したのにもかかわらず、その後が想定したような良い状態にならないケースもあります。
あるいは、施工後はそれなりに満足していたものの、後で剥がれてしまったり効果が持続しなかったりする場合もあります。
そうなってしまうのには、いくつかの理由があります。
そしてその原因は、フロアコーティングに関する知識や経験が不足していたり、何らかの勘違いをしていたりする可能性があります。
そのような状態だと、フロアコーティング本来のポテンシャルを引き出すのも難しいと思います。
そこで本稿では、フロアコーティング後に生じるよくあるトラブルを踏まえ、どのような誤解や勘違いがあるのかや、トラブル時の対策について考えていきます。
フロアコーティングの状態が悪くなるのには必ず原因があり、そして対策にも様々なものがあります。
剥がれると見た目が悪くなるフロアコーティング
フロアコーティングを施工したあとの床は、フローリングの上に“膜が張ったような状態”になります。
小学校や中学校で工作の授業をしたことがある方は、テーブルに「ニス」を塗った状態をイメージしてもらえればわかりやすいかと思います。
膜が張ってあるということは、そこを歩くことによって干渉されるのは床ではなく、その膜自体であることがわかります。
つまり、その膜があることによって床(床材)を守り、傷や汚れがつきにくい状態をつくってくれるわけです。
そこにフロアコーティングの強みがあります。
ただし、フロアコーティングはあくまでも膜なので、外からの衝撃が積み重なっていくといずれ剥がれてしまう可能性があります。
コーティング剤によって耐久年数は異なるのですが、どのコーティング剤もいずれは剥がれるという点は押さえておいた方が良いでしょう。
なぜ剥がれてしまったのか。理由を検証する
では、コーティング剤が剥がれてしまったらどうすればいいのでしょうか。
最初に確認したいのは、「なぜ剥がれてしまったのか?」という点についてです。
フロアコーティングを実施した日をチェックし、どのくらい年数が経っているのかを確認してみましょう。
それがもし耐久年数より短いようであれば、コーティング剤かあるいは施工の作業に問題があることが考えられます。
現状をきちんと確認し、発生しているトラブルの状況を依頼した業者に問い合わせるようにしてください。
そのうえで、保証などもチェックしておきましょう。
コーティング剤が剥がれるケースの大半は、耐用年数を過ぎている場合です。
あるいは、耐用年数より少し短い場合でも、使い方によっては傷や汚れができてしまい、そこから剥がれにつながる場合もあります。
いずれも、使用状況に問題がないかどうかもあわせて確認しておきましょう。
原因を明らかにしてから、再度施工すること
コーティングが剥がれてしまった場合、その状態を放置するのではなく「あらためてフロアコーティングを行おう」と考えることも多いでしょう。
それ自体は間違っていないのですが、ただ一方で、よく考えずに再度コーティングを行うのは考えものです。
その理由は、あらためてフロアコーティングを実施したとしても、また同じ状況を繰り返してしまう可能性があるからです。
つまり、原因を明らかにしないまま同じことをすると、同様の症状が生じてしまって結果的に損をする可能性があるということです。
そこで、「なぜコーティング剤が剥がれてしまったのか」を明らかにすることからはじめてみましょう。
そうすれば、次のコーティングの耐久年数をいたずらに短くしなくて済みますし、コストパフォーマンスもよくなります。
まずは、原因を追求するところからはじめてみましょう。
あらためて施工する場合の注意点について
コーティング剤が剥がれる原因は大きく3つあります。
1つ目は、コーティング剤の耐久性に問題があることです。
コーティング剤によって耐久年数が異なることに加え、硬度にも違いがあります。
そのため、それらの特徴を踏まえたうえでどのよう状況になっているのかを確認する必要があります。
2つ目は、使用状況に問題があることです。
この場合の使用状況とは、つまり床に対する衝撃に関するものですが、いくらフロアコーティングをしていても強い衝撃を与えすぎてしまえば剥がれや劣化につながります。
そのため、必要以上にダメージを与えていないかどうかをチェックしてみましょう。
そして3つ目は、施工自体に問題があることです。
業者に施工してもらった場合には業者の作業が原因となりますが、自分で施工した場合には手順ややり方が間違っている可能性があります。
いずれにしても、どのように施工したのかをあらためて調べ、どこに問題があったのかを割り出すようにしましょう。
長持ちさせるために施工業者に確認しておきたいこと
ほとんどの場合、フロアコーティングの施工は業者に依頼することになります。
プロにお願いすることでより間違いがなくなりますし、時間や労力の節約にもなるためです。
一方で、専門の業者に依頼するということは、相手とのコミュニケーションが必要となります。
意思疎通がきちんとはかれていないと、どのような施工をしてほしいのかが伝わりません。
ですので、最低限の知識を得たうえで、どのような施工を望んでいるのかを伝えるようにしましょう。
密にコミュニケーションをとることで、お互いの齟齬も少なくなります。
とくにフロアコーティングの効果を長持ちさせたいのであれば、「どうすれば剥がれやすくなるのか?」「長期にわたって剥がれないようにするにはどうすればいいのか?」などを、あらかじめ聞いておくようにしてください。
そのような対話によって、より求めているコーティングが実現しやすくなります。
おわりに
フロアコーティングの状態が悪くなる理由としては、傷や汚れ以外にも、コーティング剤や施工自体に問題があるなど、様々なものが挙げられます。
そうした事態にならないよう、事前に必要事項を確認し、剥がれによるトラブルが生じないよう心がけるようにしてください。
<記事のポイント>
・フロアコーティングの施工後には、コーティング剤の「剥がれ」が生じる可能性がある。
・コーティング剤が剥がれてしまう原因は、使用状況や施工内容によって様々。
・トラブルを回避するためにも、事前の対策と事後の対策をよく確認しておこう。